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1,000字で考える食と日本文化 甲野善紀・前田英樹『剣の思想』感想

 

こんにちは、今日は日本文化について考えたことを書きます。

 

紹介する本は甲野善紀・前田英樹『剣の思想 増補新版』です。ともに剣術を修めている二人の対談は、うわべだけではない言葉の応酬を感じます。

 

日本文化と食

 

剣や剣術についての話はひとまず置いておいて、日本文化について前田さんが面白いことを言っていました。

 

かつて、私たちが作り上げた文明の根底には、まず米を食べる生活がありました。米が他の食糧に対して優れている点は、人がそれだけを食べて生きてゆける点にあります。これは、本居宣長が述べ、二宮尊徳が奨励した考えですが、人は玄米だけを一日五合食べれば、栄養学的にも生きてゆける。

 

前田さんは対談(書簡応酬)の最後で「米」の話をしています。

 

これが、私たちの文明をかつて成り立たせていた食の体系でした。日本の衣類や建築、すべての技芸、暮らしの中の所作、振る舞い、道徳と信仰は、このような食の体系がなくては生まれてこなかったものです。そうしたところからこそ湧いてくる意志があり、欲求があり、願いや畏れがあった。

 

日本の文化は、稲作文化を抜きにしては語れないと前田さんはいいます。

 

これは、その通りです。城壁を建てるのだって着物を作るのだって、ケーキを食べながらつくったわけではありません。

 

わたしは今、日本文化、アジアの文化をもっとよく知るために玄米食を試しています。

 

しかし、このような態度は学問においてはほとんど無視されます。理由としては学問をしている人たちが、

 

  • 本の外で具体的に行動することを嫌う
  • 食についての頓着がない
  • 言葉にならない部分を言葉にすることを諦めている
  • 食(インプット)と論文(アウトプット)に因果がないと思っている

 

こういう性格があるからですねー。「日本の美術を考えるぞ」と言って無駄に本ばっかり読んでいる人は、何も見えていないのも同然です。残念な論文ばっかり出来上がります。

 

消えてしまった日本文化

 

このことは別に研究者だけに当てはまることでもないです。和の文化(甲野さんは現代においては日本文化は死んで”和風”しかないと言っていますが)を見直そうとする人へのメッセージでもあります。

 

このような食の体系を溝(どぶ)に捨てるように捨ててきた現代日本人が、いまさら和の文化を見直そうなどと言い出すのは、いったいどういう了見によるものでしょうか。

 

前田さんの、この言葉は鋭いですね。

 

食に無頓着な人が文化を語るのは正直向いてないです。20世紀ならまだしも、21世紀にその鈍さは結構つらい(はずです)。

 

 

結論としては、玄米めっちゃおいしいのでもっと皆食べていきましょうという話です。

 

剣の思想 増補新版

剣の思想 増補新版

  • 作者:甲野善紀,前田英樹
  • 出版社:青土社
  • 発売日: 2013-12-18

 

 

 

 

おわり