今回の記事は、東京国立博物館所蔵の『如来及び両脇侍立像』(重要文化財)について書いていきます。
この仏像は、わたしのお気に入りでもあります。
この角度から撮ると、神々しさが伝わります。迫力があって作品の前のパワースポット感が尋常じゃないです。
東博の法隆寺宝物館の1Fに置かれていますが、 わたしはこれを見るためだけに行くこともあります。
基本情報
キャプションに書いてある基本情報は以下のようになっています。
・如来及び両脇侍立像
・銅製鋳造鍍金
・三国(朝鮮)時代 6~7世紀
両脇侍立像とは、あまり聞きなれない名詞です。両・脇侍・立像の3つで分かれます。
脇侍(きょうじ)とは、
中尊の左右,あるいは前後に侍するもの。脇士,挟侍,夾侍とも書き,脇立(わきたち),〈わきじ〉ともいう。その数は多くは二尊で,中尊と合わせて三尊像という*1
両隣りで、真ん中のボスをサポートする二体の存在のことです。
制作素材(手法)の鍍金(ときん)とは、金メッキのことを指します。
三尊仏とは
ついでに、三尊像についても説明しておきます。
三尊仏とは、三体の仏像のことです。中央が本尊、左右に脇侍を置きます。アジャンターの石窟(紀元前後)にすでに見られるスタイルで、インド由来です。
この仏像の本尊は阿弥陀如来だと思います。
もし中央が阿弥陀如来の場合、観世音菩薩と勢至菩薩に挟まれていることとなります。
情報はミニマルに
しかし、真ん中が何の仏であろうと、
その情報自体で美しさが変わるわけではない
のです。
作品から受け取る情報は最低限にして、感動は最大限にしていきましょう。わたしたちに余計な情報を飲み込む時間はありません。
ちょうど同じことを、先日の記事でも書きました。先日の仏像も、同じく本尊が如来の三尊立像でした。
個人的に仏像は三尊立像が好きです。構図としてずっしりした安定感があります。
おわり
*1:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版